美容医療は、何のためにあるのでしょうか。
顔を変えるためでしょうか。
黄金比に近づくためでしょうか。
それとも、誰か別の人のような顔になるためでしょうか。
美容医療に関わる仕事をしていると、ときどきそんなことを考えます。
もちろん、医療として効果のある治療を提供することはとても大切です。
たるみを整える治療、クマの治療、肌質を改善する治療など、
実際に見た目が変わることで気持ちが前向きになる方も多くいらっしゃいます。
一方で最近、美容医療の世界を見ていると、
少し気になることもあります。
SNSや広告の影響もあり、
どうしても「目立つもの」や「強い変化」が注目されやすくなっているように感じることがあります。
また、新しい治療や流行が次々に生まれ、
その時々のトレンドによって価値観が大きく揺れ動いているように見えることもあります。
もちろん、技術や情報が広く共有されること自体は、とても良いことだと思います。
ただ、そうした流れの中で、
美容医療の本来の目的が少し見えにくくなっているのではないか、と感じることもあります。
日々カウンセリングをしていると、多くの方が求めているのは
「別の人になること」ではないということに気づきます。
むしろ
少し元気に見えたい。
少し若々しい印象になりたい。
なんとなく生き生きとした雰囲気になりたい。
そんな、とても自然な気持ちを持って来院される方がほとんどです。
そして私は、人がそうした変化を求める理由の一つは、
人が本能的に「みずみずしい印象」に惹かれる生き物だからではないかと思っています。
なんとなく生き生きとしている。
透明感がある。
生命力を感じる。
そうした印象に触れると、人は自然と魅力を感じます。
もしかすると
「たるみを整えたい」
「ほうれい線を目立たなくしたい」
というお気持ちも、その根底には
もう少しみずみずしい印象でありたい
という自然で本能的な願いがあるのかもしれません。
だからこそ私は、美容医療で最も大切なのは
みずみずしい印象へと整えていくことだと思っています。
その結果として、
たるみの治療になることもあれば、
クマの治療になることもありますし、
鼻や輪郭の治療になることもあります。
けれど、それは決して
誰か別の人になるためのものではありません。
本来の自分の印象を、
少しだけみずみずしく、
少しだけ生き生きとした状態へ整えていく。
私は、美容医療とは
その人の生命力の印象を整えていく医療
なのではないかと考えています。
そして、カウンセリングに来ていただいて
「なんだか少し元気になった」
「ここに来ると気分が上がる」
そんな時間を積み重ねながら、
その方の人生の中で小さな前向きな変化を作るお手伝いができたとしたら、
それが美容医療の一つの役割なのではないかと思っています。

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