「たるみが気になるから、糸リフトをしたい」
「ヒアルロン酸で引き上げれば改善しますか?」
このようなご相談をよくいただきます。
ですが、まず最初にお伝えしたいのは、
たるみの原因は一つではないということです。
目次
たるみは「皮膚・脂肪・骨格」のバランスで起こる
たるみは、単純に皮膚が下がっているだけではありません。
・皮膚の弾力の低下
・脂肪のボリュームや位置の変化
・骨格の変化(加齢による骨吸収)
これらが複雑に重なり合い、
はじめて「たるみ」という現象として現れます。
つまり、どれか一つだけを原因と考えてしまうと、
治療の方向性もズレてしまう可能性があります。
一つの治療だけでは足りない理由
例えば、糸リフトで引き上げたとします。
確かにその場では変化が出ます。
しかし、
・脂肪のボリュームが不足している
・骨格の支えが弱くなっている
・皮膚の質が低下している
こういった要素が残ったままだと、
✔ 思ったほど変わらない
✔ すぐに戻ったように感じる
✔ 不自然な引き上がりになる
といった結果につながることがあります。
ヒアルロン酸も同じです。
凹みを埋めるだけでは、根本的なバランスは整いません。
「お醤油だけ足す」では美味しくならない
これは料理にとても似ています。
味が薄いからといって、
お醤油だけを足せばいいわけではありません。
お醤油、砂糖、出汁、塩。
それぞれを少しずつ調整して、初めて“美味しいバランス”になります。
どれか一つだけを強くすると、
全体のバランスはむしろ崩れてしまう。
顔も同じです。
一つの施術で強く変えようとすると、
結果的に不自然さや違和感につながることがあります。

ギターのチューニングと同じ考え方
もう一つ例えるなら、ギターのチューニングです。
一本の弦だけを合わせても、
他の弦がずれていれば、綺麗な音は出ません。
すべての弦を、少しずつ、丁寧に調整する。
その結果として、心地よい音が生まれます。
美容医療も同じです。
皮膚、脂肪、骨格。
それぞれを少しずつ調整することで、
全体として自然で美しい印象が生まれます。
複合治療とは「足すこと」ではなく「整えること」
ここで誤解されやすいのですが、
複合治療とは「たくさんの施術をすること」ではありません。
大切なのは、
・どの要素を調整するべきか
・どこは触らないべきか
・どこまでやるべきか
を見極めることです。
私は、すべてを変えることを目指していません。
平らにすることも、たるみを完全になくすことも目的ではありません。
目指しているのは、
・みずみずしく見えること
・いきいきとした印象になること
・なんだかよく見えること
です。

「やりすぎない」ための設計
複合治療が必要な理由は、
“やりすぎないため”でもあります。
一つの施術で無理に変えようとすると、
どうしても過剰になりやすい。
だからこそ、複数の要素を少しずつ整える。
結果として、
・自然な変化
・長持ちする結果
・違和感のない仕上がり
につながります。
最後に|診断がすべてを決める
たるみ治療で最も大切なのは、施術ではありません。
診断です。
どの要素がどの程度影響しているのか。
どこを整えれば印象が変わるのか。
そして、どこは触らない方がいいのか。
それを見極めることができれば、
治療はシンプルになります。
逆に、それが曖昧なまま施術を選ぶと、
結果も不安定になります。
美容医療は、足し算ではなく“調整”です。
料理のように。
楽器のように。
少しずつ整えることで、
その人らしい美しさが引き出される。
私はそう考えています。

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