「脂肪は財産」って、本当?

美容医療では、

「顔の脂肪は減らした方がいい」

という考え方がある一方で、

「脂肪は財産だから、できるだけ取らない方がいい」

という考え方もあります。

では、実際はどちらが正しいのでしょうか。

私は、どちらか一方が正しいということではないと思っています。

顔の脂肪には、単に顔を大きく見せるだけではなく、大切な役割があります。

適度なボリュームがあることで表情が自然に見えたり、輪郭に丸みや立体感が生まれたり、若々しく健康的な印象につながったりします。

一方で、脂肪の量や位置によっては、顔が重く見えたり、フェイスラインがぼやけたり、たるみを強調してしまうこともあります。

だから、すべての脂肪が悪いわけでもなければ、すべての脂肪を残せばいいわけでもありません。

特に40代以降は、脂肪を減らすことに慎重になります

少し極端な言い方をすると、

「脂肪吸引で脂肪を取る=しわしわになる」

くらいに思っておいた方がいい、と私は考えています。

もちろん、脂肪吸引をすれば必ずしわしわになる、という意味ではありません。

ただ、脂肪を取るということは、皮膚の内側にあったボリュームを減らすということでもあります。

特に40代以降は、若い頃と比べて皮膚の弾力やハリが少しずつ低下しています。

その状態で皮膚の下のボリュームを大きく減らしてしまえば、皮膚の余りが出たり、小ジワが目立ったりする可能性があります。

結果として、

「顔は小さくなったけれど、なんとなく老けて見える」

ということも起こり得ます。

だから私は、40代以降の方に顔の脂肪吸引を積極的におすすめすることはあまりありません。

特に、皮膚が薄い方、柔らかい方、すでに皮膚の余りがある方では、脂肪を減らすことが若返りとは逆方向に働くこともあります。

大切なのは、取るか取らないかではなく「バランス」

だからといって、

「脂肪は財産だから、一切取ってはいけない」

というのも違います。

重さの原因になっている脂肪であれば、必要な分だけ減らすことで輪郭がすっきりすることもあります。

大切なのは、極論に走らないこと。

どこにボリュームが必要で、どこには少し多いのか。

その人の骨格、脂肪の量と位置、皮膚の厚みや柔らかさ、年齢による変化まで見ながら、

残すところは残す。
減らすところは、必要な分だけ減らす。

そうやって丁寧に整えていくことが大切だと思っています。

美容医療は、何かをたくさん取ったり、たくさん足したりすることだけが治療ではありません。

減らしすぎず、足しすぎず、その人に必要なバランスをつくる。

私は、それが自然な若返りにつながると考えています。

下の画像は実際のモニター様の写真です。
ボリュームを削ることなく、ナチュラルに引き上げています。

Doctor's Profile

美容外科医10年目。東京・大阪を拠点に診療を行う。
専門は糸リフト、たるみ治療、ヒアルロン酸、ボトックスを中心とした切らないエイジング治療。一人ひとりの骨格や加齢変化を見極め、自然な美しさを引き出すことを重視する。美容医療は見た目を変えるだけでなく、自信と前向きな人生を支える医療と考え、医学的根拠に基づいた安全性と満足度の高い治療を追求している。

◉経歴
東北大学医学部 卒業
湘南美容クリニック
都内美容クリニック院長

2026年よりKAUNIS CLINIC(表参道)、SWAN CLINIC GINZA(銀座)、BAYASHI CLINIC(大阪梅田) 勤務

◉専門分野
糸リフト
たるみ治療
ヒアルロン酸注入
ボトックス治療
切らないエイジング治療
フェイスデザイン

◉所属学会・資格
日本美容外科学会 JSAPS
美容内科学会

◉執筆・監修
美容医療に関する情報を医学的根拠に基づいて発信。糸リフト、たるみ治療、ヒアルロン酸、ボトックスを中心に、患者が安心して治療を選択できる情報提供を行う。

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