「顔の輪郭が四角くなった気がする。」糸リフトで治せる?

体重は変わっていないのに、なぜ?

「昔よりフェイスラインがぼやけてきた」
「口横が重くなった」
「頬の位置が下がった気がする」
「写真を見ると、以前より顔が大きく見える」

40代、50代になると、このような変化を感じる方が増えてきます。

ところが、体重を振り返ってみると、それほど増えていない。

それなのに、なぜ昔より顔が大きく、四角く見えるのでしょうか。

その理由の一つは、単純に脂肪が増えたことではなく、顔の中にある組織の「位置」が変わっていることです。

年齢とともに変わるのは、脂肪の「量」だけではありません

若い頃は、頬の比較的高い位置に自然なボリュームがあり、そこから顎に向かって輪郭がすっきりしている方が多くいます。

ところが年齢とともに、皮膚や皮下組織、それらを支えている構造にも変化が起こります。

頬にあった組織が少しずつ下がってくると、口横やフェイスラインにボリュームが集まって見えるようになります。

すると、

頬の位置は低くなった。
口横は重くなった。
フェイスラインはぼやけた。

という変化が同時に起こります。

その結果として、以前よりも顔の下半分が横に広がり、輪郭が四角くなったように感じることがあります。

つまり、

「顔が大きくなった」のではなく、
「輪郭が下がった」ことで大きく見えている

可能性があるのです。

「四角くなったから脂肪を取る」とは限りません

ここで大切なのが、

脂肪が多いのか。
それとも、組織が下がっているのか。

を見分けることです。

口横やフェイスラインが重く見えると、「脂肪を取れば昔のようにすっきりするのでは?」と考える方もいると思います。

もちろん、実際に脂肪量が多く、ボリュームを減らす治療が適している方もいます。

しかし、もともと頬にあった組織が下がってきたことが主な原因であれば、単純に脂肪を減らすだけでは問題の本質を解決できないことがあります。

特に40代、50代では、下顔面にはボリュームが集まって見える一方で、頬やこめかみなどではボリュームが減少していることも珍しくありません。

上は痩せているのに、下は重い。

このアンバランスが、年齢による顔の変化をより強く感じさせることがあります。

だから私は、脂肪を「取る」ことを考える前に、

なぜ、その場所が重く見えているのか。

を考えるようにしています。

糸リフトの役割は「下がった位置を戻す」こと

組織が下がることで輪郭が四角く見えているのであれば、治療で考えたいことの一つが、下がった組織を自然な位置へ戻すことです。

そこで糸リフトを使います。

私にとって糸リフトは、単純に皮膚を強く引っ張る治療ではありません。

どこが下がっているのか。
どの方向へ戻すのか。
どの深さで支えるのか。
どこの丸みは残すのか。

顔全体を見ながら、それぞれを設計していきます。

たくさん動かすことと、きれいに動かすことは同じではありません。

目指しているのは、無理に細い顔を作ることではなく、

その方がもともと持っていた自然な輪郭へ近づけること。

そのために、糸リフトで下がった組織の「位置」を戻していきます。

私が大切にしている「注入による杭止め」

そして、糸リフトと同じくらい私が大切にしているのが、注入治療です。

注入治療というと、

「ヒアルロン酸で頬を膨らませる」
「くぼんだところを埋める」

というイメージを持つ方が多いと思います。

もちろん、失われたボリュームを必要な分だけ補うことも、注入治療の重要な役割です。

しかし、私がたるみ治療で注入を使う目的は、それだけではありません。

私の治療では、適切なポイントへの注入を、組織を「杭止め」するようなイメージでも使っています。

つまり、

糸リフトで位置を戻す。
注入治療で杭止めする。

この二つを組み合わせて考えます。

糸リフトには、下がった組織を適切な位置へ移動させる役割を。

注入治療には、必要なポイントを支え、顔全体の立体的なバランスを整える役割を。

それぞれに違う仕事をさせる、という考え方です。

※「杭止め」は私が治療を設計するときのイメージを分かりやすく表現した言葉であり、注入剤が物理的に組織を固定することを意味するものではありません。

「糸だけ」「注入だけ」で考えない

特に40代、50代の顔では、一つの変化だけが起きているわけではありません。

組織が下がっているところ。
皮膚が緩んでいるところ。
ボリュームが不足しているところ。
反対に、下がった組織によって重く見えているところ。

これらが一つの顔の中に混在しています。

だから、たるみをすべて糸リフトだけで解決しようとも、注入治療だけで解決しようとも考えていません。

例えば、下がった頬に対してヒアルロン酸を足し続ければ、かえって顔が重く見えることがあります。

反対に、糸リフトで組織を戻すだけでは、加齢によって失われた立体感や支えまで十分に整えられないこともあります。

だからこそ、

戻すところ。
杭止めするところ。
補うところ。

を分けて考えることが大切です。

「取る・戻す・支える・補う」を顔全体で考える

私がたるみ治療で大切にしているのは、治療法から考え始めないことです。

「糸リフトをする」
「ヒアルロン酸を入れる」
「脂肪を取る」

と最初から決めるのではなく、

今、この顔では何が起きているのか。

を先に考えます。

脂肪が本当に多ければ、必要な部分を減らす。

組織が下がっているなら、糸リフトで位置を戻す。

戻した組織を支えたいポイントには、必要に応じて注入治療を組み合わせ、杭止めするように設計する。

ボリュームが失われているところには、必要な分だけ補う。

そして皮膚そのものの緩みが強ければ、引き締め治療も組み合わせる。

取る。戻す。支える。補う。

これらを顔全体のバランスを見ながら組み合わせていく。

これが、私の考える総合たるみ治療です。

「顔が大きくなった」のではなく、「輪郭が下がった」のかもしれません

「最近、顔が四角くなった気がする」

その変化を単純に「太った」「脂肪が増えた」と考える必要はありません。

顔の中では、年齢とともにさまざまな変化が起こっています。

だからこそ、私が大切にしているのは、減らすことでも、たくさん足すことでも、強く引っ張ることでもありません。

どこが下がっているのか。
どこを戻すべきなのか。
どこを支えるべきなのか。
どこにボリュームが必要なのか。

それを一人ひとりの顔で考えることです。

糸で戻す。
注入で杭止めする。

そして必要なところだけを補いながら、顔全体のバランスを整えていく。

「最近、輪郭が変わってきた」
「頬は痩せてきたのに、口横は重い」
「脂肪を取るべきなのか、糸リフトをするべきなのか分からない」

そんな方は、まず何が原因で今の輪郭になっているのかを見極めるところから始めることが大切だと考えています。

Doctor's Profile

美容外科医10年目。東京・大阪を拠点に診療を行う。
専門は糸リフト、たるみ治療、ヒアルロン酸、ボトックスを中心とした切らないエイジング治療。一人ひとりの骨格や加齢変化を見極め、自然な美しさを引き出すことを重視する。美容医療は見た目を変えるだけでなく、自信と前向きな人生を支える医療と考え、医学的根拠に基づいた安全性と満足度の高い治療を追求している。

◉経歴
東北大学医学部 卒業
湘南美容クリニック
都内美容クリニック院長

2026年よりKAUNIS CLINIC(表参道)、SWAN CLINIC GINZA(銀座)、BAYASHI CLINIC(大阪梅田) 勤務

◉専門分野
糸リフト
たるみ治療
ヒアルロン酸注入
ボトックス治療
切らないエイジング治療
フェイスデザイン

◉所属学会・資格
日本美容外科学会 JSAPS
美容内科学会

◉執筆・監修
美容医療に関する情報を医学的根拠に基づいて発信。糸リフト、たるみ治療、ヒアルロン酸、ボトックスを中心に、患者が安心して治療を選択できる情報提供を行う。

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