― 効果・仕組み・リスクまでわかりやすく解説 ―
「糸リフトってどんな治療ですか?」
「切らずにリフトアップできると聞いたけど、本当に効果はあるの?」
美容医療が初めての方から、こうしたご質問をよくいただきます。
糸リフトは、メスを使わずにたるみを引き上げることができる治療として広く知られています。
一方で、正しく理解されていない部分も多い治療です。
ここでは、初めての方でも分かるように、
糸リフトの仕組み・効果・リスクまで丁寧に解説します。
目次
糸リフトとは何か
糸リフトとは、皮膚の下に医療用の糸を挿入し、
たるみを物理的に引き上げる治療です。
糸にはコグ(トゲ)がついており、
このコグが組織に引っかかることでリフトアップが生まれます。
さらに、糸を入れることで体内に軽い刺激が加わり、
・コラーゲン生成の促進
・皮膚のハリ感の向上
といった効果も期待できます。
糸は体内で溶ける素材でできている
現在主流となっている糸は、吸収性(溶ける)素材でできています。
代表的な素材には以下があります:
- PDO(ポリジオキサノン)
- PLLA(ポリ乳酸)
- PCL(ポリカプロラクトン)
これらは医療分野(外科手術の縫合糸など)でも使用されている安全性の高い素材です。
時間の経過とともに体内で分解・吸収され、
最終的には体に残りません。
糸リフトの効果は「引き上げ+質の改善」
糸リフトの効果は大きく2つあります。
① 物理的な引き上げ(リフトアップ効果)
挿入した糸によって、たるみを引き上げます。
② コラーゲン生成(質感の改善)
糸による刺激で、コラーゲンや線維組織の再構築が起こり、
肌のハリや弾力が改善します。
文献的にも、吸収性糸によるコラーゲン増生や組織のリモデリングは報告されています。
効果の持続期間
糸は時間とともに吸収されますが、
効果がすぐに消えるわけではありません。
・糸による物理的な引き上げ
・その後の組織の再構築
この2つが合わさることで、
一般的には数ヶ月〜1年程度の効果が期待されます。
ただし、持続期間は
・使用する糸の種類
・挿入方法
・もともとのたるみの状態
によって大きく変わります。
糸リフトのリスクと合併症
どんな医療行為にも、リスクは存在します。
糸リフトも例外ではありません。
一般的な経過
- 腫れ
- 内出血
- 軽い痛みや違和感
これらは数日〜1週間程度で落ち着くことがほとんどです。
起こり得るリスク
- 左右差
- ひきつれ感
- 皮膚の凹凸
- 感染
- 神経障害(まれ)
- 血腫
これらは頻度としては高くありませんが、
適切に理解しておくことが大切です。
合併症への対応
万が一トラブルが起きた場合は、
・糸の調整や抜去
・内服治療
・経過観察
など、状態に応じた対応を行います。
重要なのは、
早期に適切な対応ができるかどうかです。
経験がリスクを下げる理由
糸リフトは、シンプルに見えて非常に繊細な治療です。
・どの層に入れるか
・どの方向に引き上げるか
・どの程度のテンションをかけるか
これらの判断によって、結果は大きく変わります。
経験が多い医師ほど、
・不自然にならない設計
・合併症の回避
・トラブル時の適切な対応
が可能になります。
最後に|糸リフトは「設計」がすべて
糸リフトは、単に糸を入れる治療ではありません。
どこに、どの方向で、どれだけ入れるのか。
そして、どこはあえて触らないのか。
その“設計”によって、結果が決まります。
私は、糸リフトを「引き上げる治療」ではなく、
全体のバランスを整える治療として考えています。
そのために、一人ひとりに合わせた設計を大切にしています。

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